臨床心理学特論

受講区分 学科 授業期間 履修年次 単位 担当者
  通年   4 岡田 督

授業の主題(テーマ)
心理臨床にみられる攻撃性

授業の目標(講義概要)
 現代社会において、虐待、ドメスティック・バイオレンス、犯罪等、直接の身体的暴力だけでなく、いじめ、アルコール依存、リストカット等、歪んだ攻撃性の発現と抑止力の低下がみられる。また、過度の攻撃性の回避が強迫性障害や、解離性をもたらせている。本講義では攻撃性をキーワードに現代の人のこころを把握し、そこにみられる不適応行動や症状、および治療的援助について学習することを目的とする。

授業計画
1.神経性脱毛症と親子関係
2.強迫症状と外傷体験
3.不登校と分離個体化過程
4.摂食障害と母子関係
5.胃潰瘍と兄弟葛藤
6.喘息と家族関係
7.虐待と暴力行為
8.非行と父親不在
9.非行と学校現場
10.家庭内暴力
11.性的問題と思春期
12.対人恐怖と引きこもり
13.離人症状
14.不安障害
15.摂食障害
16.リストカット症候群
17.自己愛性人格障害
18.反社会性人格障害
19.うつ病
20.統合失調症

  以上のテーマについて、症状・問題行動理解のための講義と、事例検討の
 ための討議という形式で、テーマ毎にそれぞれ1〜2回行う。
  事例は、心理アセスメントの資料の説明も加えながら、折衷的ではあるが
 主として自我心理学、対象関係論、自己心理学の理論をもちいて、そこにみ
 られる攻撃性などの感情の転移−逆転移、および間主観的観点から解説する。
  また、家庭、学校、関係機関、地域との関わりなど現実の処遇に役立つ技
 法についても言及する。
 

評価方法
 

テキスト書名 編・著者名 出版社 価格
       

備考
大塚義孝 論 「臨床心理学言論」 誠信書房(刊行されれば参考図書にする) 岡田 督 「攻撃性の心理」 ナカニシヤ出版(参考図書)